プロジェクト管理入門 e-Learning 創造性教育コース
目次
ビデオ解説

第3章 プロジェクト計画書の作成

■3.1 開発の目的と意義

システム開発を行う場合、つい欲張ってしまって、いろいろな機能をつけたくなりがちです。その結果、システムの役割があいまいになったり、作業工程やコストが増加することがあります。このようなことにならないために、以下の点に注意して開発目的を決めるようにしましょう。

 ● 開発の目的を明確にする

何を開発するのか、誰のためのものかを明確にします。

 ● 開発の優先順位

リソース(期間、予算、人材)が制限されたプロジェクトでは、すべての開発を同時に行うことはできません。例えば、家を建てる場合には、まず土台工事を行ってから柱を立てるように、開発する順序についても十分に考えないといけません。

また、大きなプロジェクトの場合には、計画に無理が生じないようにするために、今回のプロジェクトで開発する部分と、将来開発する部分を明確にすることが重要です。

 ● 効果の具体的な明示

プロジェクトの実現によって、従来の問題がどのように解決されるのか、その効果についても明確にします。この調査によって、具体的な効果が確認されない場合には、プロジェクトの実施自体についても再検討した方がいいでしょう。

 ● 効果が社会に果たす役割や波及効果

企業の場合、従来の問題に対する効果が認められたとしても、実際に社会に受け入れられない、すなわち商品が売れなければ、プロジェクトの実施価値はありません。そのため、マーケティング調査や類似商品の有無についての調査を行います。

問題の明確化の効果
  • プロジェクトの作業範囲が明確になる

    プロジェクトの開発目的を明確になることで、作業範囲が決まり、必要なリソースがどの程度かについての計画を立てるための要素がはっきりします。

  • プロジェクトへのモチベーション(目的意識)を高める

    また、プロジェクトの効果や社会に果たす波及効果を確認することは、プロジェクトメンバのモチベーションを高めることでしょう。メンバがプロジェクトに積極的に参加しているという意識はプロジェクト遂行にとても重要です。


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